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貯蔵品の会計処理

貯蔵品とは事業活動を行うために短期間に費消する消耗品等で、未使用のものを計上する棚卸資産勘定科目の一つでもあります。

具体的には、文房具などの事務用消耗品、包装資材、少額の工具器具備品などの消耗品や切手、収入印紙などの換金価値のあるものなどがあります。

これら貯蔵品については、通常重要性がなく短期間に費消されるものであるため、購入時に費用処理しますが、重要性のあるものについては棚卸を実施し、棚卸資産に計上します。

では資産計上や費用処理はどのようにすればよいのでしょうか。

貯蔵品とは

貯蔵品には、主として消耗品等と換金価値のあるものの二種類があります。

消耗品等

事務用消耗品

文房具、コピー用紙、インクなど

包装荷造資材

段ボール、封筒、テープなど

消耗工具

ねじ、ドライバー、スパナなど

広告宣伝用印刷物

会社案内、カタログ、パンフレット、ポスターなど

見本品

サンプル商品など

換金価値のあるもの

切手

収入印紙

回数券

新幹線、電車、バスなどの回数券

商品券、各種プリペイドカードなど

 

貯蔵品の会計処理

貯蔵品は通常少額でかつ短期間に費消されるものであるため、重要性の原則に照らして購入時に費用処理することができます。

つまり未使用の貯蔵品であっても重要性がなければ、資産計上する必要がないのですが、では重要性の判断はどのように行えばよいのでしょうか。

貯蔵品は少額で短期間にかつ頻繁に費消されるものであるため、必要となった都度購入していたのでは煩雑となるので、実務上は一定期間先を見越してある程度まとめて購入することが行われています。

したがって、法人税法基本通達でも、毎期一定額程度を継続的にストックとして保有している限りは購入時に費用処理することが例外的に認められています。

なお、購入時に費用処理できることを利用して、期末日前に大量の貯蔵品を購入し、節税を図るなどの行為は否認される可能性が高いので、一般的に短期間に費消されると認められる範囲を超える貯蔵品は棚卸を実施し、貯蔵品に計上する必要があります。

 

郵便切手・物品切手等の取扱い

郵便切手はご存知のとおり、郵便料金を前納したことを証する証票です。一方で物品切手等とは商品券、旅行券、図書券、各種プリペイドカードなどをいい、商品や役務の提供を約する証書です。

これら郵便切手及び物品切手等(以下、「切手等」という。)については、他の貯蔵品と異なり消費税の取扱いが異なります。

切手等の譲渡については、二重課税を排除するため消費税法上非課税取引とされています。したがって、切手等の購入時は非課税とし、後日切手等を使って実際に商品を購入したり、役務の提供を受けた時に課税されます。

なお、切手等について継続して購入時に費用処理している場合は、購入時に課税仕入処理することも認められています。

また、物品切手等は取引先に対する贈答用で使われることがあります。この場合は商品の購入又は役務の提供を受けるわけではないので、交際費等(不課税)として処理するのが一般的です。

 

まとめ

★会計処理と現物管理は別物と考える

貯蔵品の会計処理には、原則として未使用の貯蔵品を資産計上し、使用したものを費用処理する方法と例外的に毎期一定額を継続的に保有しており、重要性が低い貯蔵品については購入時に費用処理する方法の二通りがあります。

原則的方法では貯蔵品の受払管理を行わなければ会計処理はできませんが、例外的方法では必ずしも受払管理を行わなくても会計処理はできます。

受払管理は大変なので購入時に費用処理する方法を適用しようと考える会社もあるでしょう。

しかし、例外的な会計処理方法をとるとしても貯蔵品の受払管理は必ず行うべきです。

特に換金価値のあるものは、不正の温床となる可能性もあるので現物の受払管理は会計処理に関わらず行いましょう。

★郵便切手・物品切手等の消費税の取扱い

郵便切手・物品切手等の消費税はその取扱いがわかりにくく、間違いやすい取引の一つです。

特に切手を購入したときの領収書を見ればわかるのですが、非課税取引とされています。消費税の取扱いに関する知識が乏しい場合、領収書が非課税取引となっているからと非課税処理してしまうことがありますので注意しましょう。

関連法規

【会計】

会社計算規則 第74条第3項第1号ヲ

財務諸表等規則 第15条第1項第10号

企業会計原則注解 注1(重要性の原則の適用について)(1)

企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準

【税務】

法人税法基本通達 2-2-15(消耗品等)

消費税法基本通達 11-3-7(郵便切手類又は物品切手等の引換給付に係る課税仕入れの時期)

消費税法基本通達 6-4-4(物品切手等に該当するかどうかの判定)

作成日:2017年4月26日

当コラムは掲載時点での法令等に基づいて記載しておりますが、法令等の改正があった場合にはできる限り追記などの方法で最新の情報に更新しております。

具体的な会計処理や税務処理を行う場合には、最新の法令等を確認されること及び業種や業態、取引内容によっては必ずしも当てはまらない場合がありますので、専門家等に相談されることをお勧めします。

また、当コラムの意見にわたる部分については、筆者の私見であることをお断りします。

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