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延滞税、加算税等の種類と計算方法

税金の申告や納付には法定の期限が設けられています。この期限を過ぎて申告や納付を行った場合や税務調査で追徴課税された場合にペナルティとして附帯税が課されることはご存知でしょう。日本は申告納税制度をとっていますが、故意に申告や納税を遅らせたり、納税額を偽ったりすることが頻繁に起こると制度自体が崩壊します。申告納税制度を維持するためにこのようなペナルティが定められています。

では、どのような場合にどんな附帯税が課されるのでしょうか。

附帯税とは

附帯税とは国税のうち、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税を総称したものです。

 

延滞税

延滞税とは、法定納期限までに支払うべき税金を完納しない場合などに課されるペナルティです。

また、納期限後に申告の修正、更生または決定の処分を受け、支払うべき税額が不足していた場合にも発生します。

延滞税は、納期限の翌日から2か月は「年率7.3%」又は「特例基準割合に1%を加算した割合」のいずれか低い割合を適用して納付すべき税額に乗じます。また、納期限の翌日から2か月を経過した日の翌日からは、「年率14.6%」又は「特例基準割合に7.3%を加算した割合」のいずれか低い割合を適用して納付すべき税額に乗じます。

なお、「特例基準割合」とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月の前年の銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除した割合に1%を加算した割合をいいます。

 

利子税

利子税とは、延納又は申告書の提出期限の延長が行われた場合に課されるペナルティです。

利子税は、納期限の翌日から延長された期限の日までの日数に応じて、「年率7.3%」又は「特例基準割合」のいずれか低い割合を適用して納付すべき税額に乗じます。

通常、事業年度末日の翌日から3か月以内に株主総会を開催することとしている場合、申告書の提出期限の延長の申請を行っていることがあります。この場合でも納期限の延長はされませんので、決算が確定しなくても2か月以内に税金の納付は必要です。

 

加算税

加算税とは、申告又は納付を法定期限までに行わなかった場合に課されるペナルティです。延滞税や利子税は納期限を超過したことに対する利息的性格の附帯税ですが、加算税は罰則的性格の附帯税です。加算税には、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税の4種類があります。

【過少申告加算税】

過少申告加算税とは、法定期限に提出された申告書に記載された納税額が過少で、修正申告や更正が必要となった場合に課されるペナルティです。

過少申告加算税は、追加納税額の10%ですが、申告した納税額又は50万円のいずれか多い額を超えている額については15%になります。

なお、自主的に修正申告をした場合には、過少申告加算税はかかりません。

【無申告加算税】

無申告加算税とは、申告書を法定期限までに提出しなかった場合に課されるペナルティです。

無申告加算税は、納税額が50万円までは15%、50万円を超える額については20%を納税額に乗じます。

なお、自主的に法定期限後に申告をした場合には、5%に軽減されます。

【不納付加算税】

不納付加算税とは、源泉徴収による所得税の納付期限内に支払われなかった場合に課されるペナルティです。

不納付加算税は、納付税額に10%を乗じます。

なお、税務署から告知を受ける前に自主的に納付した場合には、5%に軽減されます。

また、法定納期限から1ヶ月を経過する日までに納付し、かつ過去1年以内において納付期限内に源泉所得税を納付している場合は、不納付加算税は課されません。

【重加算税】

重加算税とは、事実の仮装や隠ぺいにより申告を行わなかった場合や過少に申告をした場合に課されるペナルティで、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税に代えて課されるものです。

重加算税は、過少申告加算税に代えて課す場合は追加納税額の35%、無申告加算税に代えて課す場合は納税額の40%、不納付加算税に代えて課す場合は納付税額の35%の割合でそれぞれ乗じます。

 

地方税については

地方税についても国税の附帯税と類似した制度があります。地方税では附帯金・加算金と名称は異なりますが、内容はほぼ同様のものです。

ただし、国税の利子税や不納付加算税に相当するものはありませんし、法人住民税には延滞金はありますが加算金はありません。

 

まとめ

★税金の申告と納付は期限内に

日本で採用されている申告納税方式は納税者自身が自ら税金計算をし申告を行い納税する制度であり、民主的な制度といわれています。納税者が申告納税制度のルールを守らないと制度自体が破たんし、極端なことをいえば国の統制による賦課課税方式になりかねません。そのようにならないために、ペナルティである附帯税を定め、制度の適正な運用を図っています。

また、納税資金がないことや税金の申告を軽く考え、後でまとめて申告すればいいなど安易な考えをする方を時折見かけます。

しかし、附帯税についてみてきたように税額は重い制度となっています。これが重加算税となると思いもよらない額の支出となる場合があり、資金繰りに行き詰まることもあり得ます。

ペナルティを受けないためにも、期限内の申告と納税を行うように注意しましょう。万が一にも申告漏れやミスに気づいた場合には、ペナルティを最小限に抑えるため、自ら早めの対応をすることが大切です。

関連法規

【税務】

国税通則法第2条第4号

国税通則法第60条~第69条

国税通則法施行令第25条~第28条

国税通則法基本通達 第6章附帯税

作成日:2017年5月17日

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